ドーラの撮れたDay

漫画や小説の聖地巡礼と街歩きが大好きで、素敵な出会いを楽しみながら写真で綴っています。

展覧会

川崎市岡本太郎美術館『原爆×芸術展』~惨禍を越える人間の力への期待

川崎市岡本太郎美術館の「戦後80年≪明日の神話≫を次世代につなぐ 原爆×芸術」展に行きました。 岡本作品のほか現代美術家や、広島市立基町高校の生徒たちが被爆者から聞き取った話をもとに描いた”原爆の絵”で構成されています。 岡本太郎≪明日の神話≫ほか 岡…

野町和嘉写真展『人間の大地』、人々の敬虔な祈りと逞しさが心に刻まれました

野町和嘉さんの写真展『人間の大地』を観ました(世田谷美術館)。野町さんが50年にわたって撮影されたサハラ、ナイル、エチオピア、グレート・リフト・ヴァレー、メッカとメディナ、チベット、アンデスの過酷な自然の中で生きる人々の暮らしと信仰の姿に感…

『レオ・レオーニの絵本づくり』展、柔らかくて強いメッセージでした

小学校の国語教科書の定番『スイミー』の作者レオ・レオーニの展覧会で、渋谷ヒカリエに行きました。レオ・レオーニの展覧会は時々開かれていますが、今回はどのように絵本づくりをしたか、コラージュなどの技術にも焦点をあてた企画です。 個性を丹念に描く…

パティ・スミスとサウンドウォーク・コレクティヴのコラボ展、「さぬき石」のアートに思いを巡らせました

東京都現代美術館で開かれた美術展『コレスポンデンス』に行きました。70年代に”パンクロックの女王”と呼ばれたパティ・スミスと、ベルリンを拠点にする芸術家集団サウンドウォーク・コレクティヴのコラボレーション。それだけで前衛的なものを予想しますが…

蛇に導かれる青山のアンゼルム・キーファー『Two Paintings』展

京都二条城の『アンゼルム・キーファー:ソラリス』展を観た後、東京青山でも開催されているキーファーの『Two Paintings』展を観ました。 会場のファーガス・マカフリー東京の柔らかい光を受けながら2つの大作が向き合っています。《E. T. A. ホフマンのため…

ポーラ美術館『カラーズ』展で色彩のパワーを実感!

日帰りで箱根・ポーラ美術館『カラーズー色の秘密にせまる』展に行きました。モネ、マチス、ゲルハルト・リヒターなど印象派から現代アートまで、色彩の捉え方をテーマに美術史が観られる構成です。 ポーラ美術館のエントランス。四季の自然を映し出す情景に…

京都・山崎の松本竣介展で、青く染まる街に出会いました

京都春のアート旅2日目-1 朝9時前にホテルに近い紫雲山頂法寺(通称六角堂)で少し桜を眺めてから、松本竣介の展覧会に向かいました。お天気もよく、すいぶんと早い時間から観光客は動いているようです。 みんなが見たい!!六角堂の桜の華やかさ 六角堂は聖…

二条城に降り立つアンゼルム・キーファー『ソラリス』展

京都春のアート旅1日目 2泊3日で京都ひとり旅に出かけました。 いちばんの目的は、世界遺産・元離宮二条城を会場とした『アンゼルム・キーファー:ソラリス』展。昼頃に新幹線で京都に着き、まっさきに二条城に向かいました。 キーファーは戦後ドイツを代表…

写真展『ロバート・キャパ 戦争』で写真の中の1人ひとりにストーリーを感じました

東京都写真美術館の『ロバート・キャパ 戦争』展へ。キャパは戦争写真の他にも、平時の日常生活やピカソのポートレートなど心惹かれる作品がたくさんありますが、今回はタイトルのとおり戦争に焦点を当てた写真展です。 入り口のポスター:左から≪デンマーク…

大覚寺展、100面の豪華な障壁画は揺れ動く音楽のようでした

京都大覚寺の寺宝の展覧会『旧嵯峨御所 大覚寺―百花繚乱 御所ゆかりの絵画』。前期・後期に分かれていますが、まずは前期に行きました 話題の障壁画100面の一挙公開は豪華そのもの。狩野山楽の筆と伝わる大覚寺の宸殿(しんでん)「牡丹の間」を飾る重要文化…

『円空仏』展で、漫画『呪術廻戦』でも有名な両面宿儺を見ました

三井記念美術館の特別展『魂を込めた円空仏ー飛騨・千光寺を中心にして』に行きました。円空は江戸時代の山林修行僧で、人々を救済しようと日本各地を巡り12万体もの木の神仏像を彫ったとのこと。 両面宿儺坐像 今回の特別展のどころの見どころの1つ、≪両面…

『坂本龍一| 音を視る 時を聴く』で光と時の粒子を体感

東京都現代美術館で開かれている『坂本龍一 | 音を視る 時を聴く』展に行きました。回顧展ではなく、坂本さんが生前に構想されていたインスタレーションの展覧会です。 ■坂本龍一+高谷史郎 《TIME TIME》2024 (新作) 四角い水盤に、天井から水滴が落ちて…

朝香宮邸のアールデコを舞台にした『そこに光りが降りてくる』展

東京都庭園美術館で、青木野枝さんと三嶋りつ惠さんの2人のアーチストによる『そこに光りが降りてくる~朝香宮邸でつむぐ鉄とガラスの創造』展を観ました。 こちらの美術館は、1933(昭和8)年に皇族朝香宮家の自邸として建てられた建物を、現在は展覧会など…

京橋「TODA BUILDING」の新スペースを探検:現代アートから鬼滅の刃まで

京橋のアーティゾン美術館の隣に戸田建設の超高層ビル「TODA BUILDING」が11月にオープンし、アートスペースがあるので寄ってみました。 オリジナルのプログラム「APK PUBLIC」 1階、2階では、パブリックアート・プログラム「APK PUBLIC」を展開。飯田志保子…

表参道・原宿アート散歩:ファッションブランドのギャラリーが刺激的

表参道は街そのものも愉しいですが、無料のアートギャラリーが多いのでいつも発見があります。特にヴィトンやプラダは現代アートをゆったりした空間で紹介してくれるますし、カメラのGR専門のスペースもオープン。時代の新しい感性をキャッチできたらよいの…

DIC川村記念美術館の光と小説『太陽を曳く馬』

千葉県佐倉市にある「DIC川村記念美術館」へ久しぶりに。レンブラント、ルノワール、モネ、ピカソなどの名作が展示されていますが、現代美術のマーク・ロスコの作品7点だけで一部屋が構成されたロスコルームは別世界です!! 約3万坪ある広大な敷地は、緩や…

小島一郎写真展『青春』で人を撮る気迫に圧倒されました

小島一郎さんの写真展『青春』で新宿・旧オリンパスギャラリーへ。日本の若者たちをまっ正面から撮った小島さんの気迫がすさまじかった!! 小島さんの写真展にうかがったのは、横浜のドヤ街の人々を捉えた『正方形の故郷』、アルメニアのロマの家族が心に残…

府中市郷里の森博物館:村野四郎記念館ほか

府中市郷土の森博物館の敷地内には府中市ゆかりの建物や資料館があり、見どころがいろいろあります。 村野四郎記念館 府中市の旧尋常高等小学校校舎を活用した建物を活用して、詩人の村野四郎記念館が設置されています。 村野四郎(1901~1975年)の詩は、学…

『ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展』感想 ボイスからの問いかけ

ドイツの現代美術家ヨーゼフ・ボイス (1921~1986)と日本の作家たちとの対話を意図した展覧会へ。ボイスは、マルセル・デュシャン、アンディ・ウォーホルと並ぶ現代美術の先駆けとなった人です。 ゲルハルト・リヒターやアンゼルム・キーファーに大きな影…

感想『村上隆もののけ京都』展、異界の入口へ

村上隆の大規模展覧会を観るのは前回の『五百羅漢図展』から8年ぶり。今回は京都だけの開催のため、祇園祭の時期に合わせて行きました。後から調べたことも追加しつつ、感想をまとめました。 最初に思ったのは、展覧会のタイトル『もののけ京都』とは何だろ…

オラファー・エリアソン展を体験する

エコロジーの思想を現代アートで表現するオラファ―・エリアソンの展覧会。麻布台ヒルズギャラリーの開館記念として開催されています。 鑑賞だけでなく体験を通じて、身近なはずの自然現象のもつ力とその美しさを再発見しリフレッシュできました! ■ギャラリ…

ヴィム・ヴェンダース監督の世界を彷徨う

ドイツの映画監督で、写真家でもあるヴィム・ヴェンダースの展覧会に行きました。 最近では、役所広司が主演して2023年のカンヌ映画祭最優秀男優賞を受賞した映画『PERFECT DAYS』が話題でしたが、この展覧会は以前の作品に関するものです。 『ヴィム・ヴェ…

巨大なエネルギーが渦巻く大巻伸嗣『Interface of Being 真空のゆらぎ』展

現代アートの大巻伸嗣さんの『Interface of Being 真空のゆらぎ』展へ。東日本大震災や原発事故、コロナ禍を経た今の人々の立ち位置を模索する美術展でした(国立新美術館)。 最初に、高さ7メートルの壺のインスタレーション《Gravity and Grace》に呑み込…

鎌倉晩秋/千姫ゆかりの東慶寺から浄智寺、建長寺へ

写経をしたいと思い、北鎌倉駅に近い東慶寺へ。その後、浄智寺、建長寺と北鎌倉を歩きました。 千姫ゆかりの東慶寺 東慶寺は臨済宗円覚寺派のお寺で、開山は北条時宗夫人です。家康の孫で豊臣秀頼の正室であった千姫は、大阪城落城後、秀頼と側室との間に生…

ジョン・ガリアーノが手掛けた映画とイベントへ

かつてディオールのデザイナーだったジョン・ガリアーノが、現在クリエイティブディレクターを務めるメゾンマルジェラのイベントに寄りました(渋谷)。権力の濫用をテーマにした映画『シネマ・インフェルノ』の上映と、その衣装であるコレクションを中心に…

天王州アイルとウェス・アンダーソン

『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』で天王州の寺田倉庫へ。 アンダーソン監督の映画『グランド・ブダペスト・ホテル』が好きなので出かけたら、あら愉しい♬ 天王州アイルの街を散策しながら、カラフルな世界に浸りました。天王州アイルは品川から徒歩15分…

ポーラ美術館 春

3月中旬に箱根のポーラ美術館へ。小田急線で箱根湯本まで行き、そこから美術館まで直通バスで40分程度。 美術館のエントランス。箱根の自然に現代建築が溶け込んでいます。 森の遊歩道 美術館は森に囲まれていて、散策できるように遊歩道があります。木々の…

美術館の庭

三菱一号美術館のエントランス 美術館に行くときは、作品と出会える楽しみでワクワクします。その気持ちを高めてくれるのがエントランス。 丸い曲線を描く通路を回り、丸の内の街とは違う空気を少し吸って館内に向かいます。 三菱一号館美術館は、コンドルが…

藤原新也写真展「祈り」の感想

藤原新也さんの写真展へ。祈りをキーワードに『印度放浪』『死を想え(メメントモリ)』など生と死に向き合う初期作から最新作までの作品を鑑賞しました。 会場の世田谷美術館は砧公園の一角にあり、美術鑑賞のあと、ゆっくり散策できます。 ポスターはチベ…

東京国立博物館『国宝』展へ

トーハクは150年の歴史 東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」へ。 「どういうものが国宝なのか」を感じる機会となりました。 トーハクが所蔵する89点もの国宝の一挙公開(入替えあり)。絵画、書、漆工、仏像など分野も幅広く…