ドーラの撮れたDay

漫画や小説の聖地巡礼と街歩きが大好きで、素敵な出会いを楽しみながら写真で綴っています。

巨大なエネルギーが渦巻く大巻伸嗣『Interface of Being 真空のゆらぎ』展

現代アートの大巻伸嗣さんの『Interface of Being 真空のゆらぎ』展へ。東日本大震災や原発事故、コロナ禍を経た今の人々の立ち位置を模索する美術展でした(国立新美術館)。

🧩最初に、高さ7メートルの壺のインスタレーション《Gravity and Grace》に呑み込まれます!壺から放たれる強烈な光で、動植物や人間の影が天井や壁一面にゆらゆらと。

 
 
「エネルギーに過度に依存した社会への批評」を意図したとのことで、遠くからは壺が原子炉に見えます。人間はとても小さく描かれ、列になってうつむき加減に歩いているのが象徴的でした!原子力の表現は、原爆の悲惨さや原発事故の深刻さと結びつけられることが多く、それも重要なことですが、そもそものとてつもないパワーをイメージできるのは貴重だと思います。手塚治虫さんの『火の鳥』を思い出しました。

 
《Liminal Air Space—Time 真空のゆらぎ》別の部屋では、暗闇に薄くて巨大な布が風に舞っていました。布の動きと照明で一瞬にして目の前の光景が変化するので、ここでも最初は光の物理的なエネルギーを実感させられます。
🧩鈴木竜さんのダンスとのコラボの回を鑑賞。鈴木さんが登場されると、にわかに傍観者ではいられない気持になってきました。布の動きは人の身体が加わることで、制御できない自然界や歴史のうねりのよう。その中で1人の人間が茫然としながらも、自身の存在を信じていく姿を思ったりしました。素晴らしい表現力!😌
 
 他にもドローイングや映像など作品数が多く、なかなか追いつけませんでしたが濃密な表現世界に触れて頭がいっぱいになりました。

 

この展覧会は日本博の一環とのこと。これだけのスケールの展覧会が入場料無料というのは、素晴らしい!!現代アートに縁の無かった方たちでも気軽に入れ、写真撮影も一部を除き可能。こういう開かれた美術展はとてもありがたいです👏

 

そして国立新美術館の前から日常へと戻りました。