ドーラの撮れたDay

漫画や小説の聖地巡礼と街歩きが大好きで、素敵な出会いを楽しみながら写真で綴っています。

ヴィム・ヴェンダース監督の世界を彷徨う

ドイツの映画監督で、写真家でもあるヴィム・ヴェンダースの展覧会に行きました。

最近では、役所広司が主演して2023年のカンヌ映画祭最優秀男優賞を受賞した映画『PERFECT DAYS』が話題でしたが、この展覧会は以前の作品に関するものです。

 

『ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし』展の外観

会場は大きなガラス窓がある構造で、窓に中目黒の街の裏が映り込んで、作品に街が流れ込むようでした。

 

ヴェンダースは大好きな映画監督の1人です。『PERFECT DAYS』の他に、ヴェンダースの映画は『パリ・テキサス』(84年)、『ベルリン・天使の歌』(87年)、『夢の涯てまでも』(91年)を観ていますが、荒野や廃墟のような街を彷徨うシーンがとても美しい。

『夢の涯てまでも』の資料と映像絵画

 

今回の『ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし』展では、映画『夢の涯てまでも』のラストシーンのために制作された電子絵画作品≪Electronic Paintings≫と資料、『パリ・テキサス』のロケ地を彼自身が撮影した写真≪Written in the west≫が展示されました。

 

『夢の涯てまでも』の資料です。

 

電子絵画作品≪Electronic Paintings≫。物語の中でこういう映像が出てきました。

映画音楽の資料は分からなかったのですが、ヴェンダースの映画は音楽も魅力です。『夢の涯てまでも』のテーマ曲はロック界の大スター、U2の楽曲。他にトーキング・ヘッズ、ルー・リード、エルビス・コステロなどで、サウンドトラックの豪華なこと!

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パリ・テキサス

展覧会では『パリ・テキサス』のロケ時にヴェンダースが撮影した、アメリカ中西部の風景写真「Written in the west」(83)シリーズも展示されました。

映画は観たことがありますが、写真という静止した形になると、その世界がより濃厚に感じられます。渇いた土の色と現実ではないような空の色が心に残りました。

 

今回の展覧会では、ヴェンダースの撮った写真は撮影不可でしたが、もともと点数が限られていたので、ぜひ写真展も開いていただきたいと思います。