甲飛予科練之像
静岡県の三保の松原近くにある、清水海軍航空隊「甲飛予科練之像」を訪れました。
清水海軍航空隊は海軍の教育機関で、1944年9月に新設されました。しかし、戦況の悪化により戦地でも飛行機の残存数や燃料が逼迫していて、予科練生たちは練習機に搭乗することもなく、1945年4月1日から水上・水中特攻訓練に変更になったそうです。やがて6月には解隊となり、全員が他の部隊に配属されて特攻兵器の訓練を受けていたとのこと。
予科練甲飛予科練とは、甲種海軍飛行予科練習生の略です。予科練は採用資格などにより甲・乙・乙(特)・丙の4種に区分され、甲種は中学校四年一学期終了程度以上の学力を持つ人が採用されました。
「甲飛予科練之像」は少年らしさを残す柔らかい体型で、このような若者たちが美しい富士山を目の前にして死に向かっていたのかと思うと、やりきれなさと戦争への怒りがこみ上げてきます。
碑文
「太平洋戦争の末期ここ三保の地に清水海軍航空隊ありき、大空に雄飛せんと集いし若人海軍甲種飛行予科練習生が日夜厳しき教育と訓練に明け暮れし所なり。往時の面影すでになし われら再び戦争の惨を起さず、今ここに久遠の平和を念じつつ記念の碑を建立す」
「甲飛予科練之像」のすぐ近くにある清水灯台(三保灯台)。1912(明治45)年の設置ですから、ずいぶんと長い間、この海を通る船を守ってきたことになります。
折しも、黄色い帽子をかぶった子どもたちが遠足で来ていました。この子たちが平和な世界で生きられるよう願わずにおられません。
この像の他にも清水海軍航空隊の跡がわずかに残っているようですが、よく分りませんでした。
近くに三保飛行場がありますが、ここは戦後に建設された施設で航空隊とは無関係のようです。生い茂る草の向こうにあるので、ついイメージしてしまいます。。。
三保飛行場。
*交通メモ 清水駅から路線バス30分程度「三保本町」下車