=遠野物語の世界が広がる=
新花巻から釜石線で、座敷わらしやカッパ、神隠しなどが登場する「遠野物語」の世界に。
釜石線はかつて岩手軽便鉄道と呼ばれ、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』のモデルといわれます。いつかSL銀河にも乗ってみたい。。🚂
「遠野物語」は柳田國男が、遠野地方で語り継がれる昔話や説話を集めたもの。
それらを柳田國男に話したのは、遠野出身の小説家・佐々木喜善でした。佐々木喜善は東北に伝わる400編もの昔話を集めた人で、と宮沢賢治は親交があったのだそうです。
遠野駅から25分ほどバスに乗り、足洗川停留所で下車。そこから歩いて「カッパ淵」にやってきました。いたずら者のカッパが多くがすむという小川です。そういえば。。。
小さな祠にはカッパ神がまつられ、出産後の女性がここに参拝すると母乳の出がよくなるという言い伝があるそうな。
=実りの季節の終わりに=
カッパ淵の周辺をゆっくり散策。畑仕事に精を出すおじいさん、おばあさんたち。
ビールの原材料となるホップの畑がありました。遠野は国内最大のホップの産地で、毎年夏に収穫祭が開催されるとのこと。コロナ禍で今年も中止になってしまったそうですが、来年の夏こそ乾杯の声が響き渡るといいですね🍻
畑て採れたてのかぼちゃ。立派です。重い!!
野焼きを初めて見ました。収穫の終わった畑に残っている作物の残りや雑草などを焼いて、春の種まきのために土壌を整える作業です。
=かつての遠野の農家を再現した「伝承園」=
「カッパ淵」から10分程度歩いて、遠野の農家の生活様式を再現し、風習や文化を再現している「伝承園」へ。
馬と一緒に暮らした、南部曲がり家です。いつでも目が届くようにと、人が住む母屋と馬小屋を直角に連結した構造。南部地方では馬を家族と同様に扱い、寒さの厳しい冬には、竈(かまど)の空気が屋根裏を通って流れて、馬屋を暖めることができます。
母屋の様子。囲炉裏端でお年寄りが子供たちに昔話を聞かせていたのでしょう。
赤ちゃんを布でくるんで入れ、ゆりかごのようにゆらし、あやすために使った昔の道具
このお座敷で、語り部が民話や昔話を話すイベントなどが行われています。
屋敷の奥へ進むと、突き当りが「御蚕神堂(おしらどう)」です。
御蚕神堂には、蚕の神、農業の神、馬の神のオシラサマが1,000体。壁面にもびっしりと展示されていました。オシラサマには娘と馬の悲しい恋の末に、天に昇り神様になったという伝説があります。
外に出ると、穏やかな日常の姿でした。。
伝承園の中にある食事処で、遠野の郷土料理を味わいました。お椀は「ひっつみ」といい、すいとんのような料理。鶏とごぼうの出し汁がよい香り🥢
電車・バスと徒歩の旅なので、回れる『遠野物語』のスポットが限られましたが、空気がおいしくてリフレッシュできました。
この後、遠野駅に戻り『とおの物語の館』に寄ってから、宿の花巻温泉郷へ。。
<旅程メモ:2日目>
2020年10月21日 新花巻駅から釜石線(9:22)→遠野駅(10:04)→遠野駅からバス(10:26)→足洗川停留所(10:43)→伝承園停留所からバス(13:37)→中央通り停留所(14:04)→遠野物語館から徒歩→遠野駅からシャトルバス→花巻温泉郷